LP(ランディング)を注文したいけれど、
「どんな流れで進むの?」
「修正ってどんなふうに伝えればいいの?」
「デザイナーさんって、どうやって意図を組み取ってくれるの?」
そんな不安を持つ方も少なくありません。
今回は、実際にご依頼いただいた漢字カードゲーム『つな漢字』LP制作 の事例をもとに、
ご依頼 → デザイン提出 → 修正 → 納品
までの工程を “全部公開” します!
「デザインってブラックボックスだな…」と思っている方が、少しでも安心できる内容になっています。
【ご依頼内容】
■案件:漢字カードゲーム「つな漢字」LPデザイン
■形式:デザインのみ(コーディングなし)
■構成:縦長1ページ(PC・SP対応のデザイン)
▼ゲーム概要(クライアント提供情報より)
・小学校1〜3年生で習う100種類の漢字を使用
・「音読み・訓読みしりとり」「熟語」をつなげて遊ぶカードゲーム
・辞書付きで、遊びながら“読み”や“熟語”が自然に身につく教材
・「学習の導入」「苦手克服」を想定して制作
▼ターゲット
・小学校1〜3年生のお子さまを持つ親御様
・「遊びながら学べる教材」を求める家庭
▼クライアント様のご希望
とにかくわかりやすいLPにしてほしい!
【初回ご提案】
ここでは、実際にクライアント様へ提出した「提案内容」を要点をまとめて紹介します。
ファーストビュー(FV)
LPで最も重要なのは、ページを開いた瞬間に
「誰向けの商品なのか」
「どんな価値があるのか」
が一目で伝わること。
そこで、FVでは
・キャッチコピー:「つないで目指せ!漢字マスター」
・元気に叫ぶ子どものメインビジュアル
を組み合わせ、「遊びながら学ぶ」という世界観がひと目で分かる構成 にしています。
そしてデザインの方向性は、パッケージの雰囲気に合わせた 明朝体+太めゴシック の組み合わせ。こうすることで、
・タイトルはパッケージに寄せた“明朝体寄り”
・文章は親しみやすい太めの“ゴシック体”
→ 子ども向け教材らしさ&価格帯に合う印象に調整
下層デザイン
①「学習の背景」を丁寧に整理
親御様が抱えがちな「漢字は大事だと分かっているけど、どう教えたら…?」
という悩みに自然と共感が生まれるよう、導入部分の文章を再構成。
この流れから「だから、このゲームが役に立つんです」
という訴求につながるよう設計しています。
②ルール説明は“とにかく分かりやすく”
小さなお子様、忙しい親御様、どちらが見ても 直感的に理解できる よう、
・遊び方を3ステップ化
・文章+イラストで視覚的に理解できる構成
・読み飛ばしても意味が分かるレイアウト
にしています。
また、付属の簡易辞書で「遊びながら自然に『読み』や『熟語』が身につく」
という教育的価値も明示し、安心感のある流れにしました。
③口コミは“リアルな体験談”ベースに
ただの「お客様の声」ではなく、「つな漢字で変わった!」という“変化”にフォーカスした体験談
として構成。
・手書き風フォント
・かぎかっこで囲んだ吹き出し風のレイアウト
にすることで、まるでお母さんが話しているかのような温かい印象を加えています。
【修正依頼①】
初回デザインを提出したあと、クライアント様から下記の修正依頼をいただきました。
クライアント様からのご要望
■ FVの子どもの画像を小さくして、印象を控えめにしたい
■ アピールポイントの3文を変更したい
■ 「そんなこと言われても」の下のグレーの丸や、フォント全体がややチープに見えるので改善してほしい
LP制作ではよくあることなのですが、「なんとなく気になる」「ちょっと安っぽい」
というフィードバックは、とても大切なサイン。
“より良くできる余地がある”ということなので、ここからさらに方向性をすり合わせていく重要な段階です。
【修正デザイン】
ここでは、実際にクライアント様に説明した内容を、ブログ用に読みやすく整理して書いていきます。
①FV:女の子の画像を小さく&カードを大きく配置
提出した画像の修正意図としては…女の子の印象を少しだけ弱め、
商品(カード)のほうを主役として見えるように調整することで、「何のLPか?」がひと目で伝わりやすいように再設計しました。
②アピールポイントの3文:書体変更+下線でアクセントを追加
当初のデザインでは“子ども向けの親しみやすさ・読みやすさ”を重視して太めのゴシック体を選んでいました。
しかし今回、「少し安っぽく見える」という率直なご意見をいただいたため、同じ“読みやすいゴシック”の中でもより上品で整った印象のものへ変更。
さらに、下線を追加して
・「しっかりデザインされている」印象
・セクションにメリハリをつける役割
を持たせています。
③「そんなこと言われても」の下のグレー丸や、書体含め“若干チープに見える印象”の改善
実は、「チープ感」は書体だけではなく装飾がまったくない=ただ文字が並んで見えることも原因かもしれないと判断。そこで、
・下線を引くことでタイトルの協調
・文字の大きさのジャンプ率をつけることで見てほしいポイントの共聴と躍動感
・装飾の変更:ただの丸からもよりモヤモヤ感が伝わるようなデザインに
このように“最小限の装飾”を足すことで情報にリズムが生まれ、見栄えも改善されています。
修正時に考えたこと
安っぽい=明朝体に変えればOK、ではない理由
「チープに見える」と言われたとき、解決策として
・明朝体に変える
・シンプルにまとめる(装飾をし過ぎない)
・高級感を足す(素材など)
などの方向もあります。ですが、今回のLPにとっては 最適ではありませんでした。
なぜなら
・商品価格帯は2,000円以下
・ターゲットは子ども+親御様
・世界観は「遊びながら学べる教材」
つまり高級感が強すぎると、むしろ違和感になってしまう。
だからこそ私は、
・親しみやすさ
・読みやすさ
・子ども向け商品の世界観
・でも安っぽくない印象
この“ちょうどいいバランス”を探りながら書体と装飾を調整しました。
▼方向性の結論
・ゴシック体は継続(親しみやすさのため)
・タイトル類はパッケージに近い明朝体寄りで統一感を確保
ただ要望を反映するだけでなく、“なぜそうするのか”を説明しながら、一緒にベストへ近づけていく進め方をしています。
【修正依頼②】
クライアント様からの追加のご要望
■ 全体の文字サイズを2倍ほど大きくしてほしい(SPでしっかり読めるようにとのご要望)
※最初はPC版とSP版で別でご納品予定でしたが、この一つでスマホに特化したデザインでPC/SPともに使用できるデザインということで、文字の大きさの調整が必要になりました。
■ 項目の追加(同梱物の商品説明セクションの追加)
という追加依頼をいただきました。
【修正デザイン②】
文字を約2倍の大きさに
SPでもしっかりと読める文字の大きさに調整しました。またデザインも少し変更しました。
【追加修正③】
そこから、細かい修正・調整をさせて頂きました。
・セクションの順番調整
・行間・余白の調整
・強調箇所の見直し
・読みやすさの最適化
そして、全3回の修正 を経て、無事に納品となりました。
最終的の納品したデザインがこちらになります▼
【まとめ】
今回の制作事例のように、私は修正内容そのものだけでなく、
「そのご要望の背景にどんなお悩みや意図があるのか」
を丁寧に確認しながら、一緒にLPをつくっていきます。
クライアント様が「もう少し目立たせたい」「見やすくしたい」と感じられた理由を伺うことで、
単なる調整ではなく、より伝わるデザインに仕上げるための最適な方法をご提案できるからです。
ご要望はしっかり受け止めつつ、そのうえで
「エンドユーザーにもっと伝わりやすい形はどれか?」
という視点でご提案しながら、方向性を一緒に見つけていくスタイルです。
一方的に「直してください」「はい!直します!」ではなく、納得して進められるように意図や理由もしっかりお伝えしながら制作しています。
デザイン制作は、決してブラックボックスではありません。
このブログが、「ここなら相談しやすそう」「一度お願いしてみようかな」
と思っていただけるきっかけになれば嬉しいです。ご依頼を心よりお待ちしております。